19話:わくわく冒険協会「ワクワクを思い出すんだ」(失言)
ブラッキーと
エーフィが仲間になったその日の夜。
宿場町の丘には
ノコッチが夜の景色を眺めながら考え事をしていた。
そこに
ビリジオンが近付いてきた。
ビリジオン「隣・・・いいかしら?」ノコッチ「あっ・・・ビ、ビリジオン!!あわわわわわっ!!」ビリジオン「驚かせてごめんなさい。一緒にしちゃ、お邪魔?」ノコッチ「そっ・・・そー、そーんなこと!はぁはぁ・・・」ビリジオンは
ノコッチの横に座り込んだ。
ビリジオン「どうしたの?夜、こんなところで一匹で佇んでたりして・・・」ノコッチ「・・・・・・ま、前にココから見た蜃気楼を思い出したくて・・・。大氷河の蜃気楼を・・・。 だから・・・ココに来ればまた大氷河の光景を思い出せるかなって思って」ビリジオン「・・・行ってみたいのね。大氷河に」ノコッチ「・・・うん。僕、一流の冒険家になりたいんだ。 そして、世界中の困っているポケモンを助けたい! 苦しんでいるポケモンに勇気や希望を与えたい! それが僕の夢なんだ・・・・。 あっ!ああっ・・・へ、へ、変ですか!?」ビリジオン「ううん、変じゃないわ。もう笑ったりはしない。 あの時は・・・ゴメンね」ノコッチ「は、はい・・・・・・・・・ぽっ・・・」二匹が会話しているその後ろでその様子を見ながら隠れているポケモンが一匹いた。
エモンガ(散歩してたのに何で二匹の会話を聞きながらこっそり隠れてンだよ俺・・・? しかも、意味不明にドキドキしてるし・・・! しかし・・・あんなところで何をやってるんだろう・・・?)エモンガは木の裏に隠れながら、二人の会話を聞いた。
ノコッチ「それで・・・僕にはそんな夢があるんだけど・・・理想と現実の差が激しくて・・・。 何をやっても駄目だったんだ・・・。 でも、アイリスに入って、皆と出会って・・・。今はそれが少しずつ変わってる気がするんだ。 いや、相変わらず駄目なところもあるんだけど・・・それでも・・・。 自信って程じゃ無いんだけど・・・なんか明るい気持ちで頑張れる様になってきたんだ。 そう思ってたところに今日、大氷河に行く話が出てきて・・・。 ねぇ、ビリジオン。あの時、僕思ったんだ」ノコッチ「僕、絶対、大氷河に行きたいっ!!・・・って」ノコッチ「きっと、色んな経験が出来そうな気がする。自分の殻を破れそうな気がする。 だから僕・・・大氷河には絶対行きたいって思ってるんだ!」ビリジオン「そっか。ノコッチは今凄く成長しているのかもしれないわね。 新しいものをどんどん吸収している時なのかも。 大氷河で何か見つかると良いわね。私も応援するわ」ノコッチ「ホ、ホント!?」ビリジオン「ええ、頑張ってね!」ノコッチ「よ、よおおおうし!!僕、頑張るっ!! ぐぁんばるぞぉぉぉーーーうっ!!! ・・・・・・ぽっ・・・」二匹はそんな話をして盛り上がってるその後ろで
エモンガは終始耳を立てて聞いていた。
エモンガ(ううっ、出て行くタイミングを完全に逃しちゃったな・・・。 でも・・・最近ノコッチが明るいなと思ってたけど・・・成程な・・・。 少しずつ自信がついてきてるんだな。 そういう事だったら・・・勿論、俺も応援するぜ! 頑張って一緒に大氷河を冒険しような!ノコッチ!!)エモンガは星々の夜空を見上げながら、そう決意をした。
そして、次の朝。
私達はブラッキーの様子を見に行こうと家の外に出ようとしたが、
家の前には
ヌオーが申し訳無さそうな顔をしながら待っていた。
ピカピ「お、ヌオーじゃん。どうしたん?無死満塁で急遽登板した松井裕樹みたいな顔しちゃって」ヌオー「あ・・・あ・・・・・・あ・・・・・・っ!」なんだなんだ?この
ヌオーの慌てっぷりは・・・?
まるで8点差もあった勝ち試合が1イニングで同点に追いつかれた時の栄光ナインプレイヤーの反応みたいだ。
お嬢「ん?どうしたの??」ヌオー「じ、実は重要な事に気が付いただぬ。 この前は皆で・・・ 『皆で大氷河に行こう(だぬ)!!おおーーーーー(だぬ)っ!!』 ・・・って感じに盛り上がったと思うだぬが、よくよく後で考えてみたら・・・。 とても大切な事を忘れていたのに気が付いたんだぬ!! なので今からその話をしたいだぬ!!」お嬢「・・・よく分かんないけど・・・分かった。皆を集めてくるよ」そんな訳で私達はメンバーを集め、パラダイスセンターに集合させた。
パラダイスセンターにはいつものメンバーにセンターで働くポケモン達。
そして私達の騒ぎに駆けつけた、パラダイスの発展に貢献してくれてるボランティアのポケモン達が集合していた。
そんな中、
ヌオーは大切な事を話した。
ヌオーが話したその内容は・・・あまりにも衝撃的で、残酷だった・・・。
お嬢「ええ~っ!?留守番が必要だって~!?」ヌオー「そうなんだぬ・・・。大氷河へは長旅になると思うだぬから、ココには何日も帰って来れないと思うだぬ。 実は『わくわく冒険協会の掟』というのがあってだぬ・・・。 それによると長旅の場合はチームは留守にしてはいけないという鉄の掟があるのを思い出したんだぬ」お嬢「な、何なの!?それって!?」ヌオー「多分、長い間チームと連絡が取れないのは困るからだと思うだぬ。 昔、何か揉め事というか問題があって・・・。それでこんなルールになったと言うのを聞いた事があるだぬ。 掟が守れない場合はチームバッジは剥奪・・・チームは解散!という厳しいものだぬ・・・」ピカピ「え、何そのワクワクしない掟」(困惑)
ヌオー「なので、アイリスのうち・・・"中心メンバー"の一匹はココに残ってほしいだぬよ・・・。 せっかく盛り上がったのに残念だぬが・・・」お嬢「そんなぁ・・・。私は皆で行きたかったのに・・・。 でもチームが解散したら元も子も無いし・・・仕方ないのかなぁ・・・」???「その事でしたら、僕達が残っていれば済む話ではないですか?」私達は声の方を向くと
『ぐりとぐら』ことモグリューが居た。
その隣には
『ゴマすり』ことゴチムが機嫌悪そうな顔をしていた。
この二匹は所謂ボランティアで、パラダイスの発展に貢献しているポケモンだ。
ちなみに、この
ゴマすりはかつて石の洞窟2Fでカオスなバトルを発展させた、
無駄にノリが良いあのゴチムである。
お嬢「ん?君は確かぐりとぐらだよね?」ノコッチ「ぐらさん!」エモンガ「ぐり!」ぐりとぐら「あの・・・呼び名を統一してください?」ゴマすり「アンタ達が慌てながらメンバーをセンターに集めてるのを見たのよ。 それでコイツと一緒に聞いてたけど・・・なんだい?その糞胸悪い屑みたいなルールは?」ぐりとぐら「ゴマさん、落ち着いて下さい。言葉使いが悪いです。 まるでミロカロスの様に麗しく、けどサーナイトの様に心が優しいピカピ様も流石に困惑してしまいます」ピカピ「ヌオーの話の時点で困惑してるんですが、それは・・・」ぐりとぐら「あっ!それは失礼いたしました!!」お嬢(ミロカロスの様に麗しい・・・?)エモンガ(サーナイトの様に心が優しい・・・?)ぐりとぐら「・・・ゴホン。話を戻しますが、チーム『アイリス』の事でしたら僕達に任せても良いのでは・・・?って思いまして・・・。 僕達が留守番していれば皆さんも大氷河に行けると思います。 あ、僕達の事なら気にしなくても良いです! 皆さんが・・・特にピカピ様が楽しんで頂けるのなら僕はそれだけでも嬉しいので・・・」確かに、あそこに居るポケモン達が残って留守番していればこのメンツで大氷河に行けるけど・・・。
ピカピ「あー、無理だね。それは・・・」ゴマすり「・・・それはどういう意味よ?」ヌオー「さっきも言っただぬが・・・残ってほしいのはチーム『アイリス』の"中心メンバー"なんだぬ。 君達はあくまでもボランティア・・・。君達が残っても意味が無いんだぬ・・・」ぐりとぐら「そ、そんな・・・」そうだ。
ヌオーがココに残って欲しいと言ったのはあくまでもアイリスの"中心メンバー"なのだ。
それは私、
お嬢、
ノコッチ、
エモンガ、
ビリジオンのうち一匹がココに残らないと駄目という事だ。
ゴマすり「・・・そう・・・」ゴマすりはそう言って、ココから立ち去ってしまった。
しかし、彼女の表情はかなり悔しがっていたのを、私は見逃さなかった。
ゴマすりはボランティアの中では一番口が悪いけど、実は1番ココのメンバーの事を思ってくれてるんだよね・・・。
初対面の時とは全く想像付かなかった仲間意識の強さ。本当に良い子なんだなぁ・・・。
ぐりとぐら「ゴマすりさん・・・」ピカピ「まぁ、なんだ。なんとかしたいという気持ちだけでも、有難く受け取っておくよ。 サンキューグッリ」ぐりとぐら「・・・!!!!」ぐりとぐらは一瞬にして、神の提示に感激を受けた信者のような羨望な眼差しを私に向けたまま、仰向けに倒れた。
なんていうか・・・私、気付かないうちにこのポケモンに何か変な事吹かしたのかな・・・。
そんな覚えは一切ない気がするんだけどなぁ・・・。
ビクティニ「そうだ!もし誰かが留守番約になって寂しい思いをしたら、僕のところにおいでよ。 その時はこの・・・」ビクティニ「・・・を回せば気が紛れるよ」お、おう・・・。ズルッグ「相変わらずウザ・・・違った。凄いな、お前。 それはともかく、誰がココに残るのかって話だがよ・・・。 やっぱりこの中で実力が一番無い者が残るべきじゃねぇかな?」ピカピ「・・・お?私かな?一番実力が無いと言うと、やっぱり一切技が使えない私かな?」ズルッグ「いや・・・お前は実力あるだろ、色んな意味で・・・。 荒れ果て谷の事、ドテッコツから聞いたぞ・・・」ズルッグはそう言いながら私から後ずさりをした。
荒れ果て谷のアレ、色んな人に話してるけど皆引きずった顔をするんだよね。
そんなにおかしいのかな?私は普通に道具を駆使してやっただけなのにねぇ?
ノコッチ(・・・実力が一番無い者・・・)ドテッコツ「まぁ、そうだろうな・・・。 大氷河は未踏の地だ。何が起こるか分からん。 それだけに危険も多いと思うしな」お嬢「実力とか関係ないよ。冒険家なら誰もが行きたいと思う場所なのよ。 それなのに、誰かを残して行かなきゃいけないなんて・・・悲しいよ・・・・・・」ヌオー「ん~っ、ワシも皆で行って欲しいだぬが・・・こればかりは仕方が無いだぬ・・・」ノコッチ(実力が無い者が残る・・・やっぱり・・・僕が・・・僕が残るべきなのか・・・)ノコッチ「・・・・・・」(ブルブル)エモンガ「あれ?どうした?ノコッチ・・・?」ノコッチ「あの・・・ぼ、ぼくが・・・」あ・・・これはまずい・・・。これは
ノコッチが『実力が無い僕が残る』とか言うパターンじゃないか。
エモンガも
ノコッチが言おうとした事を察したのか、慌てて話を遮る。
エモンガ「わわっ!やめろ!ノコッ・・・」ビリジオン「私が残るわ」ファッ!?「ピカピ」えっ!!「お嬢」ええっ!?「ノコッチ」ビリジオン!「エモンガ」ヌオー「見事に皆セリフと名前が逆だぬ・・・」ビリジオン「私、大氷河に興味が無い事も無いけど・・・。 でも、実は寒がりだし、危険な所も苦手なの だから私がパラダイスに残るわ。じゃあね」そう言い、
ビリジオンはさっさとココに立ち去った。
あまりにも突然の告白で私達は何も言えず、ただ
ビリジオンが去る姿を見入ってしまった。
・・・いや、それ同じ草タイプの
お嬢に同じ事言えるんですかね・・・。
ビリジオンが去ってから少しして、
ドテッコツとボランティアの雄共が歓喜の声を上げた。
皆、とても如何わしい目をしながら。
ドテッコツ「や、やったぁ!ビリジオンちゃんが残るッ! 俺、実は密かにビリジオンちゃんが行っちまったらどうしようって思ってたんだけど・・・。 でも!!寂しい思いをしなくて済むんだ!! ドテッコーーーーーーーーーツ!! ワッハッハッハッハーーーーーーーッ!!」コイツ・・・。これはお咎めが必要ですね・・・。
ピカピ「おめでとう、ドテッコツ君。これは盛大に祝わんと駄目ですね。 ぐりく~ん!気絶しないでさっさと起きてドテッコツの左腕を掴むんや」(右腕ガシッ)
ぐりとぐら「・・・ッッ!!!は、はいッッ!!ピカピ様ぁぁ!!」(左腕ガシッ)
ドテッコツ「な、なんだなんだ!?」ピカピ「祝おうではないか、盛大にな!!」(右腕グイー)
ぐりとぐら「あ!ドテッコツさんの腕を引っ張るんですね!了解致しました!!」(左腕グイー)
ドテッコツ「ああああああああああ!!いってええええええええええええ!!!」ビクティニ「わ~!楽しそう楽しそう!!僕も入れてよ~!」(左脚グイー)
マリルリ「ドテッコツさん!今のはあんまりだと思いますっ!」(右脚グイー)
ドテッコツ「あ゙あ゙ああああ゙あああ゙あ゙あ!!股がッ!!股が裂けりゅうううううゔううゔゔゔゔ!!!」ズルッグ「ひ、ひえッ・・・」私達4匹による
ドテッコツの公開処刑に
ノコッチと
エモンガと
ヌオーと
ズルッグは思わず後ずさりをした。
ドテッコツと一緒に騒いでいたボランティアの雄共も股を挟みながら後ずさりした。
その横で
お嬢は後ろの喧騒を全く気にせず、
ビリジオンが去って行った方向を向いていた。
お嬢「・・・どうしちゃったんだろ・・・ ビリジオンってクールだし、感情をあまり表に出さないから分かりにくいけど・・・。 でも、大氷河に関しては一番行きたそうな感じがしたのに・・・」エモンガ「お嬢・・・何か煮え切らねぇな。こんな事になっちまうなんてよ・・・」お嬢「うん・・・どうしよう・・・」エモンガ「ビリジオンが残るかどうかは別として、 とにかく皆で大氷河に行けなくなった事には変わらねぇ。 その事だけでも、ブラッキー達には伝えた方が良いんじゃねぇか?」お嬢「うん・・・」ドテッコツの盛大な祝い(物理)を終えたところで、私達は宿場町の丘の上に行った。
丘の上では
エーフィとブラッキーが会話を交わしていた。
いや、何か・・・凄く・・・良い雰囲気な感じになってたんですが・・・。いやぁ、君達相変わらず仲が宜しいですねぇ~。私も思わず微笑みながら爆裂の種を投げちゃいたい。
エーフィ「あっ!ピカピ!」ブラッキー「皆、良いところに来た。もうじき研究が終わりそうなんだ。
明日には大氷河へ出発できそうだぞ」
お嬢「えっ? 本当!?」エーフィ「うん。楽しみにしててね。明日皆で大冒険よ!!」エーフィの悪気の無い言葉に私達4匹は思わず息を呑んだ。
まぁ、これは流石に仕方ない。
エーフィは何も悪くは無いんだ・・・。
お嬢「皆で・・・。えーと、ブラッキー、エーフィ・・・。そのことなんだけど・・・。 かくかくじかじかで・・・」ブラッキー「ええっ!?皆で大氷河には行けないだって!?」
エーフィ「しかも、ビリジオンが残るって言ってるの!?」お嬢「うん・・・。そうなの・・・・・・」ブラッキー「誰かが留守番しなきゃいけないのは分かるとして・・・ビリジオンが残るのは反対だ」
ピカピ「うん?それはどういう事?」エーフィ「皆は・・・ビリジオンが友達を作りたがらない事は知ってるの?」確か
ビリジオンが友達を作りたがらないのは、他のポケモンとは全く信頼していないと言ってたね。
「今の世の中は騙しあいになってる」
「親切にされても必ず下心がある」
「友達を作っても騙されてがっかりするだけ」めっちゃ子供向けのゲームとは思えない事を連発して言ってた記憶がある。
エーフィ「ビリジオンが友達を作らないのは理由があるの」エモンガ「理由・・・?」ブラッキー「ああ。ビリジオンにも前は友達がいたんだ。
名前はケルディオ。
ケルディオはかつて大氷河に向かい、そして、そこから消息を絶ったんだ・・・」
お嬢「だ、大氷河にっ!?」ブラッキー「ビリジオンは心配して、ケルディオをずっと探したようだが・・・。
結局は何も分からなかったらしい・・・。
暫くするとビリジオンに手紙が届いた。ケルディオからだった。
そこには、こう書かれてあったそうだ」
『本当は大氷河なんかには向かわなかった。 単にビリジオンから離れたかっただけだった・・・。 もう友達では無い。だから忘れて欲しい・・・』お、おう・・・。
ノコッチ「ええ~~っ!?」お嬢「大氷河に・・・向かってなかっただって!?」エモンガ「いや!それもそうだけど! なんだよ!その・・・ビリジオンから離れたかったとか・・・。 もう友達じゃないとかってよぉ!!」エーフィ「ビリジオンも驚いたでしょうね。そのショックは計り知れない。 信じられない気持ち・・・。それでも、まだ信じていたい気持ち・・・。 色んな気持ちが交じって、結局何を信じて良いのか分からなくなる。 それからだって言ってたわ。ビリジオンが友達を作らなくなったのは・・・」ブラッキー「俺達がビリジオンと出会ったのはその後だ。
俺達の研究のことを知ると、ビリジオンは自分の過去を打ち明け・・・。
そして、自分も一緒に大氷河へ連れてって欲しいと頼んできた。
ケルディオの事は今でも悩んでいると思うし・・・。
大氷河に行けば、何か分かるかもしれないと思ったんじゃないかな。
そのビリジオンが行かないと言うのは・・・俺は信じられない。
しかも、今はあんなに明るくなったのに・・・」
お嬢「えっ?明るく!?」エーフィ「私達が初めて出会った時なんて、全く感じが違ったわよ? 多分、この宿場町に来てから変わったんじゃないかな・・・? アイリスに入って・・・皆と出会って・・・。 相手を信頼する気持ちがまた戻ってきてるんじゃないかしら」ブラッキー「それなのに・・・全くビリジオンの奴・・・何を考えてるんだか・・・。
とにかく、俺は絶対連れて行くつもりだからな」
成程なぁ・・・。ポケモンを信頼しない裏で結構苦労してたんじゃないのかなとは思ってたけど、そのまさかだったね・・・。
ケルディオだっけ?随分とまぁ急な告白をしたもんだね。
いや、あまりにも急すぎる。こんなにもいきなり拒絶するもんなのか?
もしかしたら彼の身に何か起きたんじゃないのかしら?
・・・まぁ、これは憶測でしか無いし、実際大氷河に行けば少しは分かるとは思うけど・・・。
うむ。ここまでの理由がある以上、
ビリジオンには是非遠征のメンバーに加えたいものだね。
ブラッキー達との話を終え、私達4匹は終始無言でトボトボとパラダイスの家まで戻ってきた。
私達の回りにはあまりにも重々しい空気が流れていた。
お嬢「・・・・・・。ビリジオンが友達を作らない理由にそんなワケがあったなんて・・・」エモンガ「しかし、ケルディオって奴はひでぇ奴だな! 大氷河に行くなんて嘘までついて、ビリジオンと離れるなんて、絶対許せねえよな!」ピカピ「おやおや?ビリジオンを拒絶しているエモンガ君が真っ向な事を仰ってますな。 ビリジオンの事嫌いじゃなかったの?あっ・・・もしかして・・・」エモンガ「ち、ちげぇよ!ビリジオンの事嫌いだけどよ!! それとケルディオって奴が酷いのとはまた話が別だろ!?」ピカピ「なるほど・・・・・・ツンデレか・・・・・・」(ニヤリ)
エモンガ「だ~か~らぁ~!!うがぁ~!!」お嬢「まぁまぁ。落ち着いて、エモンガ」ノコッチ(ビリジオンも本当は大氷河に行きたかったんだ・・・。 それなのに残るって言いだしたのは・・・やっぱり、あの時・・・昨日の夜の・・・。 あの時、僕があんな事を言ったから・・・。 僕を大氷河に行かせたくて・・・ビリジオンはあんな事を言い出したんだ・・・。 でも・・・ビリジオンは大氷河に行くべきだよ)ノコッチ「ねえ、皆・・・。ブ、ブラッキーの言う通りだと思う。 ビリジオンはやっぱり大氷河に行くべきだと思うんだよ」エモンガ「ノコッチ・・・お前・・・」ノコッチ「だ、だから!のこ」エモンガ「わーーーっ!ちょっと待て!な?な?」ノコッチ「でも・・・!」お嬢「エモンガの言う通りよ。誰が残ってもすっきりしないんだし。 ビリジオンみたく、自分の気持ちに嘘をついちゃいけない。 そしてそれはノコッチ・・・君も同じよ」ノコッチ「ううっ・・・」しかし、どうやってその残る一匹を決めようか。
そう考えていた時、
エモンガがある提案を言った。
エモンガ「そ…そうだ!クジにしないか?」お嬢「く、くじ?」エモンガ「そう。皆でクジをやる。ビリジオンも一緒にな。 そこで当たりを引いたものがパラダイスに残る。 誰が残るにしろ煮え切らねぇんだ。 だったらいっその事、運に任せた方が良いってもンじゃねえか?」お嬢「クジかぁ・・・。ホントにそれが一番いいのかなぁ・・・」ノコッチ「ビリジオンが当たりを引いたらどうなるの?」エモンガ「ビリジオンが残ることになる。 その時は俺がブラッキー達を説得するさ。 クジは俺が今晩にでも作る。どうだ?お嬢?」お嬢「うーん・・・正直あまり乗り気じゃないけど・・・。 でも他に方法は・・・ピカピはどう思う?」ピカピ「うん。私も運に託したほうが懸命だと思うね。 この様子だと、会話を重ねても無駄に時間が過ぎて行くだけだしね。 お互い睨みっこ無しのドラフト会議やな」お嬢(ドラフト・・・?)ノコッチ(会議・・・?)エモンガ「決まりだな。クジは明日までに用意しとくぜ」そんな訳でパラダイスに残るポケモンを決めるのはクジに任せるという結論に至った。
エモンガ曰くクジ引きの時間は明日の朝に行うそうだ。
というか明日大氷河に行く訳だしね。決めるのは朝しか無いわな。
そんなこんなで今日はポケの森でお金を稼ぎ、夜を迎えたのであった。
【20話:司会「第一回残留希望選手・・・」 に続く】■
チーム『アイリス』主力メンバー○ピカピ(ピカチュウ) ♀ Lv.21 持ち物:かいふくリボン HP:85 攻撃:35 防御:39 特功:45 特防:39 技:ねこだまし、でんこうせっかⅣ、なきごえ、くさむすびカロス地方リーグチャンピオン。ひょんとした事でポケモン世界にやって来た元人間の女の子。電気技が使えない、更に冒険中は技も使えないと言うチームのお荷物っぷりを発揮している。しかし、物事を冷静に見る目を持っており、事件とそのポケモンの核心をいち早く気付く事が多い。道具管理、パラダイス計画の監督、チーム管理、バトルでの指示と最近はリーダーらしい事をしてる。ドSな性格をしているが、最近は泣き虫疑惑が浮上している。○お嬢(ツタージャ) ♀ Lv.21 持ち物:パワーバンダナ HP:85 攻撃:40(43) 防御:39 特功:40 特防:39 技:たいあたり、つるのムチⅡ、グラスミキサー、おいうちⅢピカピが最初に出会ったポケモンであり、相棒。冒険に役立てるポケモンパラダイスを立ち上げるのが夢。どんなポケモンでも心を通わせる、優しい性格だが怒るとわりと怖い。ピカピの自由っぷりに振り回されながらも、一方でピカピの事を最も信頼している。○ノコッチ ♂ Lv.22 持ち物:みきりハチマキ HP:56 攻撃:27 防御:24 特功:27 特防:24 技:とっしんⅡ、げんしのちから、ころがる、おいうちⅢトントン山で迷子になったところをピカピ達に救出されたポケモン。臆病な性格で戦闘もそこまで強くないが、ピカピ曰く潜在能力を秘めている。ビリジオンに憧れを抱いている。○エモンガ ♂ Lv.23 持ち物:パワーバンダナ HP:76 攻撃:47(50) 防御:41 特功:47 特防:41 技:でんこうせっかⅣ、でんげきは、スパークⅡ、おいうちⅢトントン山でノコッチを探してるところ、ピカピ達に出会ったポケモンでノコッチの友達。臆病なノコッチとは違い、気っ風の良い兄貴分でお調子者な性格。ピカピのボケによく突っ込む。ノコッチとビリジオンとの修羅場(?)があってか、ビリジオンとはそりが合わない。○ビリジオン ♀ Lv.25 持ち物:パワーバンダナ HP:104 攻撃:51(55) 防御:49 特功:53 特防:56 技:でんこうせっかⅣ、にどげりⅡ、とっしんⅡ、マジカルリーフⅡベテラン冒険家でチーム『アイリス』の一員。クールな性格をしており、多少冷酷な部分があるが根は優しい性格。ある理由があってか、周りのポケモンを信用していない。しかし、チームに入ってからは他のポケモンと信頼する事を努力するようになる。■
チーム『アイリス』在籍メンバー★はよく出撃するポケモン
○うましか(シママ) Lv.18
HP:51 攻撃:29 防御:22 特功:28 特防:22
技:でんこうせっかⅣ、でんじは、ニトロチャージ、でんげきは
○コロちゃん(コロモリ) Lv.19
HP:39 攻撃:22 防御:20 特功:22 特防:20
技:ねんりきⅡ、ハートスタンプ、かぜおこし、ダメおし
○しんぞう(ココロモリ) Lv.18
HP:48 攻撃:21 防御:19 特功:21 特防:19
技:ねんりきⅡ、ハートスタンプ、かぜおこし、ダメおし
★ぐりとぐら(モグリュー) Lv.20 HP:50 攻撃:33 防御:34 特功:33 特防:31 技:ひっかく、みだれひっかき、メタルクロー、あなをほる石の洞窟に出会ったポケモン。マジメでどのポケモンも敬語で接するポケモン。ピカピを神のように祀っており、いつもピカピの事しか考えてないピカピ狂信者。○しんきタブ(タブンネ) Lv17
HP:51 攻撃:33 防御:29 特功:31 特防:29
技:はたくⅡ、おうふくビンタⅡ、てだすけ、リフレッシュ
○くるっくー(クルミル) Lv.17
HP:57 攻撃:35 防御:27 特功:37 特防:27
技:たいあたり、いとをはく、むしくい、はっぱカッター
★ふっしー(フシデ) Lv.21
HP:55 攻撃:36 防御:34 特功:36 特防:29
技:どくばり、ころがる、ポイズンテール、おいうち
○もんだい(モンメン) Lv17
HP:42 攻撃:33 防御:15 特功:25 特防:13
技:しびれごな、せいちょう、やどりぎのタネ、メガドレイン
○L(エルフーン) Lv17
HP:46 攻撃:33 防御:15 特功:25 特防:13
技:せいちょう、かぜおこし、メガドレイン、やどりぎのタネ
★チェッ(チェリネ) Lv.19
HP:77 攻撃:45 防御:31 特功:44 特防:32
技:メガドレイン、こうごうせい、くさむすび、マジカルリーフⅡ
○あっちゃん(アーケン) Lv.19
HP:49 攻撃:39 防御:16 特功:35 特防:16
技:でんこうせっかⅣ、げんしのちから、つばさでうつ、いわおとし
○のぞき(チラーミィ) Lv.18
HP:54 攻撃:26 防御:32 特功:26 特防:35
技:はたくⅡ、おうふくビンタⅡ、てだすけ、くすぐる
○たまたまだ(タマゲタケ) Lv.17
HP:44 攻撃:29 防御:23 特功:29 特防:15
技:すいとる、せいちょう、おどろかす、メガドレイン
★ゴマすり(ゴチム) Lv.19 HP:74 攻撃:39 防御:32 特功:45 特防:34 技:はたくⅡ、ねんりきⅡ、サイケこうせんⅡ、おうふくビンタⅡ石の洞窟に出会った無駄にノリの良いポケモン。口の悪さはチーム一だが、ピカピ達と仲間には切実で陰ながらこのチームを大事に思っている。○バチあたり(バチュル) Lv.19
HP:36 攻撃:34 防御:28 特功:40 特防:27
技:むしくい、きゅうけつ、エレキネット、でんじは
○ギガ(ギアル) Lv.19
HP:47 攻撃:28 防御:32 特功:28 特防:29
技:はさむ、、じゅうでん、でんきショックⅡ、ギアソーサー
○ローソン(ヒトモシ) Lv.17
HP:59 攻撃:26 防御:21 特功:26 特防:25
技:おどろかす、あやしいひかり、ほのおのうず、スモッグ
★こじゅうと(コジョフー) Lv25
HP:64 攻撃:35 防御:37 特功:37 特防:40
技:はたくⅡ、スピードスター、おうふくビンタⅡ、つばめがえし
○バーチャル(バルチャイ) Lv.16
HP:42 攻撃:26 防御:22 特功:26 特防:22
技:かぜおこし、わるだくみ、みだれづき、ついばむ
○うぃーっす(ウリムー) Lv16
HP:47 攻撃:30 防御:19 特功:27 特防:19
技:たいあたりⅡ、どろかけ、こなゆき、どろあそび
○うはうは(ウパー) Lv.17
HP:56 攻撃:28 防御:26 特功:33 特防:26
技:みずてっぽう、しっぽをふる、どろあそび、マッドショット
○たつたあげ(タツベイ) Lv.15
HP:47 攻撃:28 防御:17 特功:27 特防:15
技:いかり、かみつく、ドラゴンクロー、にらみつける
○たけし(グレッグル) Lv.18
HP:68 攻撃:29 防御:23 特功:27 特防:26
技:おどろかす、だましうち、どくばり、おいうちⅢ
■
パラダイス状況パラダイスランク:ダイヤモンド○
南エリア・ピカピ・お嬢の家
○
中央エリア:爽やかな草原・きのみダネ
・ふしぎだまショップ
・くじびきてん
・くさどうじょう
○
南東エリア:涼しげな川辺・すいみんのはたけ
・しばられのはたけ
・いやしのはたけ
・ふっかつのはたけ
○
南西エリア:豊かな森林・そうこ★スッキリ
・おたからサルベージ
・ツンベアーホッケー
○
北エリア:ごつごつした岩場・ノーマルどうじょう
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