――― 某所 ポケモンセンター1階ユウキ「ジョーイさん!回復お願いします!」
ジョーイ「はい、分かりました!」
テンテンテロリーン♪
ジョーイ「お待ちどう様!お預かりしたポケモンは皆元気になりましたよ!」
ユウキ「わーい!有難う、ジョーイさん!」
ジョーイ「それにしてもユウキくん
今日もポケモンの捕獲に励んでいるの?」
ユウキ「うん!今とあるポケモンを捕まえてるんだけどね
ちょっと苦労してるんだ
ちなみにこういうポケモンだよ」
ジョーイ「あら、可愛いポケモンね!
それにしてもココのところ結構ポケモン捕まえてるし、図
鑑完成まで後もうちょっとじゃないかしら?」
ユウキ「うーん、どうかなぁ?
進化しないといけないポケモンもまだ沢山あるからねぇ」
ジョーイ「でも、ついさっきフィールドワークからココに立ち寄ってきたオダマキ博士は
『最近ユウキ君が一杯ポケモン捕まえてくれて嬉しいなぁ!』って喜んでたわよ」
ユウキ「ヘヘ・・・
それじゃ、僕はまた捕獲に行って来るよ!
またね!」
――― 某所ユウキ「ふう、あのポケモンは今何処にいるのかな・・・
124番水道か・・・ココからだと遠いなぁ・・・」
ミズズ「・・・!・・・!」
ユウキ「お?なんだいミズズ、遊びたいのかい?
そうだねー、あのポケモン今遠くに居るし、ココに待ち伏せしてる間に遊んでおくか!」
ミズズ「♪」
ユウキ「それじゃ、皆出さなくちゃ・・・ん?」
『 』ユウキ「あれ・・・?」
ミズズ「?」
『い ぐ来 』ユウキ「なんだ・・・?
あたまが・・・・うぅ・・・・」
『いま ぐ い』ユウキ「ナんだか・・・ね・・・・ムケ・・・・ガ・・・・ああアああアア・ァ・・・」
ミズズ「・・・!・・・・・・!!」
『待っているぞ いますぐ来い』ユウキ「・・・ナキャ」
ミズズ「???」
ユウキ「ボクガ・・・ボクヲ・・・ヨンデル・・・イカナキャ・・・」
ユウキ「カントーデ
カレガ
マッテイル」
ユウキ「ハヤク
イッテ
ミズズヲ
サシダサナキャ」
ミズズ「・・・??」
――― 某所 ポケモンセンター1階ユウキ「ミズズ・・・ホカニモ・・・ミンナ・・・」
ジョーイ「あれ、ユウキくん?
忘れ物でもしたのかしら?」
男の子「ジョーイさーん!ぼくのポケモンたちをかいふくしてください!」
ジョーイ「え、あ、分かりました!
今すぐに回復しますね」
ジョーイ(ユウキ君、2階に上がってったけど・・・
なんか様子がおかしいわ・・・)
――― 某所 ポケモンセンター2階ユウキ「スミマセン
ツウシンコウカン オネガイシマス」
受付「はい!分かりました!
少し待ってくださいね!」
『通信交換の準備中・・・通信交換の準備中・・・
トレーナーの認証確認
ホウエン地方ミシロタウン在籍 名前はユウキ
相手の通信場所はカントー地方ナナシマ1の島
名前は■■■』
受付「お待たせしました!
それではお入りください!」
ユウキ「ボクガ・・・ヨンデル・・・ハヤク・・・イカナキャ・・・」
受付「・・・?」
――― 某所 ポケモンセンター2階 通信交換フロアユウキ「・・・キミガ ■■■?」
■■■「・・・」
ユウキ「ソレジャ、サッソク ハジメヨウ」
■■■「・・・」
――― 某所 ポケモンセンター1階ジョーイ「・・・あら?ユウキくん?
そんなに慌ててどうしたの?」
ユウキ「ジョ、ジョーイさん!!!
ぼ、僕のポケモンは!!!!ミズズを知りませんか!!??」
ジョーイ「ユウキくん!?
ちょっと落ち着きなさい!」
ユウキ「落ち着いていられますか!!!
僕のポケモン達が突然消えたんですよ!!!
何処にいるか知りませんか!!??」
ジョーイ「ユウキ君のポケモンって・・・
あ、ちょっと!待ちなさい!ユウキくん!!」
受付「・・・どうかしたの?」
ジョーイ「あ、はい・・・
それが かくかくじかじか・・・」
受付「そうなの・・・やっぱりあの子、様子が変だったわ」
ジョーイ「様子が・・・?」
受付「ええ
あの子、さっき通信交換をやってたんだけどね」
ジョーイ「通信・・・交換・・・?」
受付「やる時は・・・なんて言えば良いんだろう?
まるで心を無くしたかのように入っていったんだけど・・・
出た時はかなり真っ青になってたのよ・・・」
ジョーイ「そんな・・・ま、まさかユウキくん・・・」
ジョーイ「ユウキ君のポケモンを通信交換で誰かにあげたんじゃ・・・」受付「でも、そういうのありえるのかしら?
彼の様子とさっきのやりとりを見た感じ、交換を出されたポケモンは彼の大事なポケモンなんでしょ?
それなのに、何故・・・」
ジョーイ「・・・今、○○さんが控え室に居るわね?
短い時間で良いから代わりに回復担当をやって欲しいと言ってくれるかしら?
私、ユウキ君を探してきます!」
受付「え?ちょっと!!」
それから、僕は至る所で僕の大切なポケモン達を探した
しかし、幾ら探しても見つからなかった
いや、この時の僕は現実から逸らしていた
僕のポケモンはもう帰ってこなくなった
僕の身に何か起きたのか、ちっとも分からない
けど、身体が勝手に動いて、僕の大切なポケモンが他の人に交換してしまった
そして気付いた時には手持ちにはポッポとコラッタのみだった・・・
これが僕とミズズ、そして大切なポケモン達と別れた理由
あまりにも突然で、理不尽で、身勝手で、そして悲しい別れ
しかし、僕の悲劇はコレだけで終わらなかった
むしろ僕の悲劇は、ココから幕を開けた
【終わり】
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