にちは「諸君 私は花粉が好きだ
諸君 私は花粉が大好きだ スギ花粉が好きだ
ヒノキ科花粉が好きだ
シラカバ花粉が好きだ
イネ科花粉が好きだ
ブタクサ花粉が好きだ
マツ花粉が好きだ
ヨモギ花粉が好きだ
カバノキ科花粉が好きだ
ハンノキ花粉が好きだ
平原で
街道で 塹壕で 草原で 凍土で
砂漠で 海上で 空中で 泥中で
湿原で
この地上で行われるありとあらゆる花粉が大好きだ
戦列をならべた杉の一斉発射が、轟音と共に花粉を吹き飛ばすのが好きだ…!
空中高く放り上げられた花粉が、花粉症患者の鼻がばらばらになった時など心がおどるッ!!
スギ花粉とPM2.5の複合技で患者を撃破するのが好きだ
悲鳴を上げて、耳鼻科に直行する患者を見た時など胸がすくような気持ちだった・・・ッ
今年は記録的な花粉シーズンが到来すると言うニュースを流して、患者を蹂躙するのが好きだ・・・
恐慌状態の患者が、既に息絶えたテレビを何度も何度も殴り殺していく様など感動すら覚える
放火主義の患者達を街灯上に吊るし上げていく様などはもうたまらない
泣き叫ぶ患者達が、私の振り下ろした手の平とともに杉を命一杯振り回し、滝のような鼻水を流すのも最高だ・・・ッ!
哀れな抵抗者(レジスタンス)達が、雑多な小火器で健気にも立ち上がってきたのを
樹海レベルのスギ花粉軍団で患者の鼻を木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える・・・!
患者の鼻、目、喉を滅茶苦茶にするのが好きだ
必死に守るはずだった身体が蹂躙され、体調を崩されていく様はとてもとても悲しいものだ・・・
耳鼻科の技術に押し潰されて殲滅されるのが好きだ
完治された患者の笑顔を指をくわえて見るのは屈辱の極みだ…!
諸君 私は春季を、地獄の様な春季を望んでいる
諸君 私に付き従う大隊花粉諸君
君達は一体何を望んでいる?
更なる花粉戦争を望むか?
情け容赦のない糞の様な春季を望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし、三千世界の鼻を殺す、嵐の様な春季を望むか…?! 」
『ハックション!』 『ハックション! ヘックション! ハックション! ハックション!』 にちは「
よろしい ならば戦争だ 我々は満身の力をこめて、今まさに振り降ろさんとする握り拳だ…!
だが!この暗い緑の底で春まで堪え続けてきた我々に、ただの花粉シーズンではもはや足りない!!
記録的花粉シーズンを!! 一心不乱の花粉シーズンをッッ!! 我らはわずかに一個小粒に満たぬ粒子状物質に過ぎない
だが、諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している
ならば我らは諸君と私で総兵力100万と1人の軍集団となる
我々を忘却の彼方へと追いやり、眠りこけている連中を叩き起こそう
髪の毛をつかんで引きずり降ろし、眼(まなこ)を開けさせ発症させよう
連中に恐怖の味を体験させてやる…
連中に、我々の軍靴の音を苦しませてやる…ッ!
天と地のはざまには、奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い知らせてやる… 」
『東京だ!東京の灯だ!』 にちは「小粒の戦闘団(スギカフン)で日本を鼻水で飲み込んでやる…ッ!
そうだ
アレが我々が辿り着く都会の光だ…
私は患者等を約束通り発症させて来たぞ…?
あの苦しみの戦場へ
あの苦しみの戦争へ…! 」
『少佐殿!少佐!代行!代行殿!大隊指揮官殿!』 『少佐殿!少佐!代行!代行殿!大隊指揮官殿!』 にちは「そして、スギ花粉は遂に風の流れに乗り、都会(おか)へと上る…!
カフンショウ大隊各員へ伝達!大隊長命令であるッ!
さあ、諸君・・・地獄を造るぞ 」
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