今 トイレを求めて全力疾走している僕は杉から生まれたごく一般的なスギ花粉
強いて違うところをあげるとすれば、粒子(男性)に興味があるってとこかナ――
名前は多田野杉花粉
そんなわけで帰り道にある公園のトイレにやって来たのだ
ふと見るとベンチに一粒のPM2.5が座っていた
ウホッ!いい粒子状物質・・・
そう思っていると突然その男は僕の見ている目の前でそれを晒しだした
「 や ら な い か 」
そういえばこの公園はハッテン場のトイレがあることで(粒子世界の中では)有名なところだった
イイ粒子に弱い僕は誘われるままツブツブとトイレについて行っちゃったのだ♥
彼――ちょっとワルっぽい中国産でP・エム・仁伍と名乗った
ホモ・セックスもやりなれてるらしく、トイレに入るなり僕は素肌に・・・既になってるんだった
仁伍「よかったのか?ホイホイついてきて
僕はアスベストだって構わないで食っちまう粒子なんだぜ」
杉花粉「こんなこと初めてだけどいいんです・・・
僕、仁伍さんみたいな公害物質好きですから・・・」
仁伍「嬉しいこと言ってくれるじゃないの
それじゃあ、とことん喜ばせてやるからな」
言葉通りに彼は素晴しいテクニシャンだった
僕はというと人間の鼻に入るような快感の波に身を震わせて悶えていた
しかしその時、予期せぬ出来事が・・・
人間「うおお・・・漏れそうだ・・・」
杉花粉「うっ・・・!」
仁伍「ん?出そうか?意外に早いんだな」
杉花粉「ち、違う・・・実はココ5日間、人間の体内に入ってないんです・・・
公園のトイレに来たのも人間を待つ為で・・・」
仁伍「そうか・・・」
仁伍「いいこと思いついた
オマエ、俺と合体しろ」
杉花粉「えーっ!?仁伍さんと合体ですかァ?」
仁伍「男は度胸!何でもためしてみるのさ
きっと人間にとって脅威な存在になれるぜ
ほら、遠慮しないで入れてみろよ」
彼はそういうと逞しい尻を僕の前につきだした
自分の方がはるかに大きいのに僕を入れさせるなんてなんて公害物質なんだろう・・・
しかし彼の堅くひきしまった輪郭をみているうちにそんな変態じみた事を試してみたい欲望が・・・
杉花粉「それじゃ・・・やります・・・」
クン・・・ズ!ズズ!シュグ・・・
杉花粉「半分・・・入りました・・・」
仁伍「ああ・・・次は全部だ・・・」
杉花粉「それじゃ・・・入ります・・・」
ズズ・・・
バァン!!!
僕らは破裂し、粉々になった
これを見た他の花粉とPM2.5も真似るようになった
そして気付いたら日本の人口の殆どが花粉症に似た症状を出した
まだ、雪解けの気配が感じられぬ3月中旬
僕らの脅威は、始まったばかりだ・・・
終わり
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