6月2日 わすれもの、ぼくのふでばこ
3話:忘れ物帳
[0回]
私には小学2年の息子がいました
息子はこれ以上のない元気溢れる子供でした
運動も良くて、勉強もそこそこ出来る子でした
ただ、忘れ物が多いのは唯一の欠点ですが・・・
私は、そんな彼の忘れ物を無くすように忘れ物帳を作ってあげました
息子は喜んでくれて、「もうこれで忘れ物しないね!」とはしゃいでました
それからと言うもの、息子は忘れ物帳を上げた時から全く忘れ物をしなくなりました
「ママー、忘れ物しなくなったよー!」と言ったあの笑顔は今も忘れられません
そんなある日、息子は無理に踏切を渡ろうとして電車に轢かれてしまった
それを聞いた私は目の前が真っ白になった
「え・・・私の・・・息子が・・・?」
嫌な結果にならない事を願い、私は現場に向かった
息子は無事だと信じたい・・・きっと生きてると思った
けど現実は残酷でした・・・
踏切の所に来た私は茫然と突っ立ってた
線路の中心で息子は両足切断され、腕があり得ない折れ方をしていた状態で倒れていた
そして、顔が無かった
息子の辺りには彼の血が溢れていた
私は声にならないぐらいの叫びを上げた
なんで私の息子がこんな目にあったのか・・・
だが、どう訴えても息子は戻ってこなかった・・・
もう、笑顔で私の事を呼んでくれない・・・
この事件のあと、息子の顔を探してたが、結局何処に探しても見つからなかった・・・
そして息子の葬儀わ終えた次の日
私は息子の思い出を浸しみだそうと、息子のランドセルを開けた
ランドセルには、息子の血が残されていた
そして中を探していると、忘れ物帳が出てきた
私は悲しみに暮れながら忘れ物帳を廻った
6月2日 わすれもの、ぼくのふでばこ
6月3日 わすれもの、こくごのノートとさんすうのきょうかしょ
次々巡るたびに日付が飛んで行く
それは忘れ物をしなくなった証拠でもあった
そして事件の日の欄にも息子は何か書いていた
それを読んだ私は唖然とした
7月8日 わすれもの、ぼくのあたまPR